オカルト・超常現象

「星が、消えていった」――ペンタゴンが公開した“黒い三角形”と、13000人が見た正体

オカルト・超常現象公開 2026年8月7日更新 2026年9月4日ザツレコ編集部
「星が、消えていった」――ペンタゴンが公開した“黒い三角形”と、13000人が見た正体

2002年、アフガニスタン上空。夜明け前を飛んでいた米軍パイロットが、星が次々に黒く抜けていくのに気づいた。音のない、巨大な正三角形。この証言は2026年8月7日、国防総省が公開した41件のUFOファイルに入っていた。同じ形の目撃は、40年前から世界中で続いている。事実・証言・諸説を分けて、その正体をたどる。

夜明け前のアフガニスタン。飛んでいた米軍のパイロットが、妙なことに気づきます。星が、消えていく。西から東へ、何か巨大なものが頭上を通過していく。音はしない。ライトもない。形は、きれいな正三角形。この証言は、2026年8月7日、アメリカ国防総省が公開した41件のUFOファイルの中に入っていました。そして同じ「黒い三角形」の目撃は、40年前から世界中で報告され続けています。今日はこの三角形の話です。あっても無くても人生に影響しない、極上のムダ知識をインストールしていきましょう。

バグラムの上空で、星が消えた

まず、確認できる事実から。2026年8月7日、アメリカ国防総省が、UFO専用サイトに41件の資料を公開しました。文書と画像と動画が混ざっています。これは今年に入って5回目の公開です。

その中に、2002年のアフガニスタンでの証言が入っていました。場所はバグラム(Bagram)の上空、現地時間で午前4時半ごろ。パイロットが語っているのは、こういう内容です。

星が黒く抜けはじめた。何か巨大なものが、西から東へ、頭上を通過していくように見えた。形は正三角形。音は聞こえない。速度と高度は一定で、おそらく150ノット——時速にして280キロほど。ライトは一つも見えなかった。大きさは500フィート、およそ150メートルはあったと思う。ただ、物体の形をはっきり見きったわけではない——。

ここで一つ、線を引いておきます。これは証言です。事実ではありません。公開された文書に書かれているのは、「パイロットがこう報告した」という事実であって、「巨大な三角形の物体が存在した」という事実ではない。政府の文書に載っているというだけで格が上がったように感じますが、中身は目撃報告書です。ここを混ぜないのが、この手の話をおもしろく読むコツです。

41件は、どこから出てきたのか

公開の枠組みも押さえておきましょう。今回の41件は、2026年1月にアメリカ大統領が署名した大統領令に基づくもので、5回目の公開にあたります。資料の出どころは国防総省、FBI、CIA、国務省、そして大統領府。最も古いものは1950年、最も新しいものは今年のものです。国防総省は「今後も順次公開していく」としています。

注意したいのは、ここで公開されているのが「政府が持っていた答え」ではないという点です。出てきたのは、未確認のまま処理されずに残っていた記録の束。言い換えると、片づいていない箱の中身が机の上に出された、という段階です。

ちなみにホワイトハウスには、この問題を扱う評議会が置かれていて、議長はハーバード大学の天文学者が務めています。宇宙人を探すためというより、未確認のまま放置されてきたデータを科学の土俵に載せ直すための組織、という位置づけですね。

ベルギーで、13000人が同じ形を見た

さて、この「黒い三角形」、実は新顔ではありません。もっとも有名なのが、1989年から1990年にかけてのベルギーです。

1989年11月29日から1990年4月まで、ベルギー各地で三角形の物体の目撃が相次ぎました。平たい三角で、底面に光が付いている。低いところをゆっくり飛ぶ。音がしない。研究団体のSOBEPS——ベルギー宇宙現象研究協会が最終的に集めた報告は約2600件、目撃者の総数は13500人とも言われます。

数字だけ見ると圧倒的です。ただ、ここにも線を引いておく必要があります。これらの報告は、ほぼすべてが事後に集められたものでした。最初の1989年11月29日の目撃についても、143人からの報告が届いていますが、それは新聞やテレビで一週間以上にわたって「見た人は連絡を」と呼びかけた後のことです。

懐疑派の研究者は、ここに古典的な仕組みを見ます。新聞で「一昨日この町の上空にUFOが出た」と読む。そういえばあの晩、明るい星か飛行機みたいなものを見た気がする。あのときは何とも思わなかったが、あれがそうだったのか——。全員がそうなるわけではありませんが、一定の割合の人はそうなる。そして報告が増えると記事が増え、記事が増えるとまた報告が増える。この循環を、UFO懐疑論者のフィリップ・クラスは法則として書き残しています。メディアが飽きた瞬間に、波はぴたりと止まる、と。

F-16は、何を追いかけていたのか

とはいえ、ベルギーの一件が有名なのは、目撃者の数のせいだけではありません。軍が動いたからです。

1990年3月30日の夜、23時ごろ。グロン(Glons)の管制報告センターに、三つの奇妙な光が動いているという通報が入ります。センターは現地の憲兵隊に確認を要請。並行してセメルザーケ(Semmerzake)の管制がレーダーで一つの物体を捉え、ボーヴシャン基地からF-16が2機、緊急発進しました。

ここまでは事実です。ベルギー空軍自身が、数週間後に詳細な時系列報告を公表しています。問題はその中身のほうで、報告を読むとかなり印象が変わります。

2機のF-16は、1時間ほどの間に9回、目標への接近を試みました。そのうち3回、数秒間だけレーダーロックがかかっています。ところが後の解析で、この3回のロックは、いずれも2機が互いをロックしていたものだと判明しました。その他の反応は、ブラッグ散乱と呼ばれる、大気の状態によって起きるよく知られた干渉でした。そしてパイロットは、最後まで何も目視していません。報告されているような機動も、一切見ていない。

一方、地上で確認に向かった憲兵隊員たちは、四つの光が正方形に並び、短くぎくしゃく動いた後、明るさを落として四方向へ散っていったと報告しています。彼らはさらに、低いエンジン音が聞こえたこと、片端から棒のようなものが出ていて、その先にタービンらしきものが見えたことも書き残しました。この記述から、あれはヘリコプターだったのではないか、と考える研究者は少なくありません。

当時ベルギー空軍の作戦部長だったウィルフリード・デ・ブロウワー将軍は、当初これをアメリカの実験機ではないかと疑いました。しかしアメリカ側は、当該時期に該当地域で米空軍のステルス機を運用した事実はない、と回答しています。

まとめると、「ベルギー軍のレーダーが何かを捉え、F-16が出動した」は事実。「F-16が未知の物体をレーダーロックした」は事実ではない。この二つは、ネット上ではほとんど区別されずに流通しています。

一番有名なあの写真は、発泡スチロールだった

そしてもう一つ、ベルギーの波を世界的にしたものがあります。写真です。

1990年4月、匿名の撮影者から一枚の写真が公表されました。黒い三角形の物体、三つの角にそれぞれ光。撮影地の名前から「プティ=ルシャン(Petit-Rechain)の写真」と呼ばれ、新聞や書籍に載り、黒い三角形の代表的な一枚になりました。

この写真は、いくつもの機関が分析しています。NASA、フランス国立科学研究センター、ベルギー王立軍事学校。結果はどこも、これが何なのか特定できない、明らかな捏造の痕跡は見つからない、というものでした。匿名で出てきたことへの懸念はありましたが、SOBEPSは20年にわたって本物だと主張し続けます。

決着は2011年7月26日に来ました。ベルギーの放送局RTLの取材に、パトリック・マレシャルという男性が応じ、あれは自分が作ったものだと明かしたのです。動機は、職場の同僚をかつぐため。作り方は本人が実演しました。発泡スチロールを三角形に切り、黒く塗り、三つの角に懐中電灯を埋め込み、糸で吊るして撮る。それだけです。

ここから引き出せる教訓は、けっこう応用が利きます。「複数の専門機関が調べて、偽物だと断定できなかった」は、「本物だ」という意味ではありません。分析でわかるのは、そのデータの中に矛盾が見つかるかどうかまで。写真の外側で何が起きていたかは、写真には写らないのです。

フェニックスの夜は、二つの別々の出来事だった

もう一件、押さえておきたいのがアメリカの例です。1997年3月13日、アリゾナ州で起きたフェニックス・ライト。

この夜、何千人もの人が空の異変を目撃しました。ただし、実際に起きていたのは二つの別々の出来事です。ここは擁護派も懐疑派もおおむね一致しています。

一つ目は、20時台。V字、あるいはブーメランの形に並んだ光の列が、ネバダ方面からアリゾナを横切って南へ抜けていきました。多くの人が、巨大な一つの機体が星を隠しながら飛んでいったと証言しています。一方、スコッツデールに住んでいた当時21歳のアマチュア天文家ミッチ・スタンリーは、10インチのドブソニアン望遠鏡でこれを追いかけ、翼に灯りを付けた個々の航空機がはっきり見えたと述べました。有力視されている説明は、ツーソンのデイビス・モンサン基地を拠点にした訓練——スノーバード作戦で飛んでいたA-10攻撃機の編隊です。

二つ目は、22時ごろ。フェニックス上空に、動かない光の列がしばらく浮かび、やがて一つずつ消えていきました。空軍の説明は、バリー・M・ゴールドウォーター射爆場でA-10が投下したLUU-2B/B照明弾。2007年には、メリーランド州空軍のエド・ジョーンズ中佐が、あの晩に照明弾を落とした一人だったと認めています。光が順番に消えたのは、シエラ・エストレラ山脈の陰へ落ちていったためだ、と説明されました。

ややこしいのは、当時のアリゾナ州知事ファイフ・シミントンです。1997年、彼は記者会見を開き、側近に宇宙人の着ぐるみを着せて登場させ、この件を笑い話にしました。ところが2007年になって、自分もあの夜あれを見たと公表します。劇的に大きいデルタ形の、静かな乗り物だった。照明弾という説明は受け入れない——。

つまりこの一件は、公式説明と有力な目撃証言が正面からぶつかったまま、今も残っています。片方だけを取り上げれば、どちらの結論にも簡単にたどり着ける。そういう題材です。

なぜ、いつも三角形なのか

最後に、この形そのものの話をして終わりにします。

有力な説明候補はいくつかあります。まず軍用機。1983年に運用が始まったF-117ナイトホークは、平らな面を組み合わせた黒い機体で、夜に下から見上げれば三角形に見えます。B-2スピリット爆撃機も、暗く、翼だけの形で、静かです。目撃が増えた時期と、これらが飛んでいた時期はよく重なります。次に飛行船。広告用のブリンプが実際に誤認されたケースが記録に残っています。

そしてもう一つ、心理のほうの説明があります。エアシップ効果と呼ばれるものです。夜空では、光までの距離がわかりません。三つの光がだいたい同じ速度で、同じ向きに動いている。それだけの情報しかないとき、人の脳は、光と光のあいだの真っ暗な部分を機体で埋めてしまう。三点あれば三角形、五点ならブーメラン。星が消えたように見えるのは、そこに何かがあるからではなく、そこに何かがあると見なした結果、星のほうに注意が向かなくなるからかもしれない——という説です。

この説が全部を説明できるわけではありません。バグラムの2002年の証言も、ベルギーで軍が動いた事実も、フェニックスで知事が語ったことも、そのまま残っています。わかっているのは、40年ぶんの目撃報告の中には、確実に説明のつくものと、まだ誰も説明できていないものが混ざっている、ということだけです。

2026年に公開されている41件も、答えではありません。片づいていない箱です。ただ、これまでは箱ごと見えなかったものが、いま机の上に出ている。中身を事実と証言と諸説に分けて並べ直せるようになったこと自体は、それなりに大きな変化です。星が消えたという報告書は、星が消えた証拠にはならない。でも、報告書があったという事実は、これで誰でも確かめられるようになりました。

まとめ

2026年8月7日、アメリカ国防総省がUFO関連資料41件を公開し、その中に2002年アフガニスタン・バグラム上空での巨大な正三角形の目撃証言が含まれていました。同じ形の報告は40年前から続いていて、1989年から1990年のベルギーでは13500人が目撃したとされます。ただし、ベルギーのF-16によるレーダーロックは後に2機が互いをロックしていたと判明し、象徴的だった写真は2011年に本人が発泡スチロール製の作り物だと認めました。1997年のフェニックス・ライトは、A-10編隊と照明弾という説明が示された一方、当時の州知事が別の証言を残したまま今日に至ります。三角形が繰り返し現れる理由には、黒い軍用機の実在と、夜空で複数の光を一つの機体に結んでしまう人の知覚と、その両方が関わっていそうです。公開された文書は答えではなく、まだ分類されていない箱の中身です。

出典・参考情報

  • [A] 米国防総省 UFO資料公開サイト(Release 05、41件)(2026年8月7日)
  • [A] ベルギー空軍「1990年3月30日から31日夜のUFO観測に関する報告」(1990年)
  • [B] CBS News「Pentagon releases 5th batch of UFO files, with 41 more documents and videos」(2026年8月7日)
  • [B] RTL(ベルギー)パトリック・マレシャル本人によるプティ=ルシャン写真の捏造告白インタビュー(2011年7月26日)
  • [B] Le Figaro「La photo d un ovni belge celebre etait un trucage」(2011年7月28日)
  • [B] Brian Dunning「Skeptoid #538: The Belgian UFO Wave」(2016年9月27日)
  • [B] Renaud Leclet ほか「The Belgian UFO Wave of 1989-1992: A Neglected Hypothesis」(2008年)
  • [B] HISTORY「Huge, Hovering and Silent: The Mystery of Black Triangle UFOs」
  • [C] Phoenix New Times「Phoenix Lights explained」(フェニックス・ライトの各説の整理)

信頼度 A=一次/公的、B=定評メディア・専門書、C=個人発信。事実・証言・諸説を区別して記載。

この記事は事実と説・伝承を区別して記述しています。

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