みなさんこんにちは、雑学レコードです。今回は、2026年、アメリカ政府がみずからの手で開けてしまった、ある「箱」の話をしていきます。長いあいだ、軍や情報機関の金庫の奥にしまわれてきた、空飛ぶ謎の物体――UFO、いまの言い方ではUAP(未確認異常現象)に関する大量の極秘ファイル。それが、大統領の号令のもと、次々とインターネットで公開されはじめたのです。なかには、月面で宇宙飛行士が見た「小さな光」、核施設の上空をよぎった「緑の火球」、そして――子どもを産み落とすように、小さなオーブを次々と吐き出す「マザー・オーブ」。今日は、この一連の情報公開が「何を明かし」「何を明かさなかったのか」を、確かな事実と、まだ証明されていない証言や諸説を、ていねいに分けながらご案内します。では、いってみましょう。

大統領が開いた「PURSUE」という扉
まず、確かな事実から始めましょう。2026年5月8日、アメリカ政府は「PURSUE(パースー)」という、聞き慣れない名前のシステムを立ち上げました。正式名称は「大統領によるUAP遭遇の封印解除・報告システム」。要するに、これまで秘密にされてきたUFO関連の政府記録を、審査のうえで一般に公開していく、専用の窓口です。公開先は、war.gov の中にある ufo という政府の公式ページ。トランプ政権が主導し、議会の透明化要求を受けて動き出した、いわば「国家ぐるみの情報解禁」というわけです。
扱う記録は、1944年、1945年といった第二次大戦のころから、つい去年の目撃証言まで。報告書、写真、動画、軍の記録、そして宇宙飛行士の交信記録まで含まれます。長年「政府はUFOの真実を隠している」と言われ続けてきた、その金庫の扉を、政府みずからが開けにかかった。これは、オカルト好きにとっては、ちょっとした事件でした。

三度に分けて放たれた、数百件のファイル
情報の公開は、一度きりではなく、波状的に行われました。
第一弾は、2026年5月8日。160件を超えるファイルが公開され、そこには世界中の400件以上の事案がまとめられていました。第二弾は、同じ年の5月22日。今度は222件もの新たな文書に加え、議員たちが要求した、およそ51本の音声記録と、40本以上の動画が放出されます。なかには「UFOが撃ち落とされる」ようすを撮ったとされる映像まで含まれ、騒然となりました。そして第三弾が、6月12日。CIA、FBI、NASA、そして国防総省――名だたる機関から、53件の文書、10枚の画像、6本の動画、3本の音声が公開されました。
数だけ見ても、ものすごい量です。けれど、ここで大事なのは「公開された=真実が証明された」ではない、ということ。あくまでこれは「こういう報告や証言が、政府の記録として残っていましたよ」という、生の資料の束。その中身を、ひとつずつ見ていきましょう。

アポロの宇宙飛行士が見た「小さな光」
まず話題をさらったのが、NASAの宇宙飛行士たちの交信記録です。
人類が初めて月に降り立った、1969年のアポロ11号。その帰還後の報告会で、宇宙飛行士バズ・オルドリンは、こんな証言を残していました。船内で「数分おきに、小さな光がチカチカ光るのが見えた」。さらに「かなり明るい光源のようなものが見えた。これはレーザーのようなものではないか、と仮に考えた」とも語っています。続くアポロ12号の音声記録にも、宇宙飛行士たちが「説明のつかない光の筋」について話し合うやりとりが残されていました。
ただし――ここは冷静に見ておきたいところです。宇宙空間でのチカチカした光は、宇宙線、つまり高エネルギーの粒子が目の網膜を直接刺激して起こる「光視症」という現象でも説明がつく、と科学者は指摘します。つまりこれは「宇宙人を見た」という証言ではなく、「宇宙飛行士が、説明のつかない何かを目撃し、それを正直に報告していた」という記録。そこを取り違えないことが大切です。

軍が記録した、光る球体たち
ファイルのなかで、くり返し登場するのが「オーブ」――光る球体の目撃です。
古いものでは、冷戦時代の「グリーン・ファイアボール」、つまり緑色の火の玉。1940年代から50年代、ニューメキシコ州など、原爆開発にかかわる核施設の上空で、青緑色に光る火の玉が何度も目撃され、当時の軍は専門の調査チームまで作っていました。政府の核兵器工場「パンテックス」上空でとらえられた正体不明の物体の画像や、ある高官がヘリコプターでの任務中に見たという「オレンジ色のオーブ」の記録も残されています。
そして、第三弾でいちばんの話題をさらったのが「マザー・オーブ」です。2026年6月5日付、国防総省でUAPを専門に調べる部署「AARO(全領域異常解明局)」のトップ、ジョン・コスロスキ局長の報告書。そこには、オレンジ色の大きな球体が、まるで子どもを産み落とすように、より小さな赤いオーブを次々と放出していた、という目撃が記されていました。「オーブが、別のオーブを発射する」。同じ第三弾では、ある軍事施設の近くで報告された「緑のオーブ」「円盤」「火球」が、209件にものぼると整理されています。
もちろん、これらの正体は分かっていません。あくまで「そういう目撃が報告され、専門部署が記録した」という段階です。それでも「子オーブを産むマザー・オーブ」という言葉の不気味な響きは、世界中のSNSをかけめぐりました。

「これはただの風船だ」――科学者たちの冷たい視線
ここまで聞くと、いよいよUFOの存在が証明されたのか、と思いたくなります。けれど、専門家たちの反応は、むしろ冷ややかでした。
イギリスの天体物理学者デイビッド・ホワイトハウスは、公開された資料を見て、こう切り捨てています。「あるものは光学的な錯覚、あるものはぼやけた染み、あるものはただの光のにじみ。いくつかは明らかに気球だ。人工的で地球外のものだという証拠は、何ひとつ存在しない」。また天文学者のマイケル・ナーロックも、「資料の大半は目撃証言の記録だが、目撃証言というのは、悪名高いほど当てにならない」と指摘。動画についても「状況を判断するだけの情報が足りない」と述べました。
ここが、この話のいちばん大事なところです。「政府が公開した」ことと「中身が本物だと証明された」ことは、まったくの別物。むしろ専門家から見れば、画質の粗い映像や、あいまいな証言が大半で、地球外の知的生命体を示す決定的な証拠は、いまだ一枚も出ていない――というのが、フェアな見方なのです。

議会の攻防と、内部告発者たち
では、なぜいま、アメリカはここまでして情報を出すのでしょう。背景には、議会の強い後押しがあります。
2026年に開かれた「ディスクロージャー・フォーラム」、つまり情報公開フォーラムには、アンナ・ポーリナ・ルナ議員、ティム・バーチェット議員、マイク・ラウンズ上院議員ら、与野党の議員が顔をそろえました。彼らが力を入れているのが、「内部告発者の保護」です。墜落した機体や、地球外の『生物学的なもの』を回収した――そんな極秘情報を抱える人物が、安心して名乗り出られるよう、法律で守ろうという動き。フォーラムでは、元国防総省の情報当局者で、告発者として知られるルイス・エリゾンドに「ディスクロージャー賞」が贈られました。
一方で、こうした動き自体を「新たな目くらましではないか」と疑う声もあります。本当に隠したい何かから目をそらすための、壮大な演出なのではないか、と。透明化なのか、それとも別の形の煙幕なのか。そこはまだ、誰にも断言できません。

まとめ
2026年、アメリカ政府みずからが開けた、UFOファイルの箱。中から出てきたのは、月面の小さな光、核施設の緑の火球、そして子オーブを産むマザー・オーブ――確かに、好奇心をかき立てる「証言」の山でした。けれど、そのどれもが「宇宙人が来ている」ことを証明してはいません。あるのは、長年まじめに記録され続けてきた「説明のつかない目撃」と、それを「ただの気球と錯覚だ」と切り捨てる科学者たちの、冷静な視線。事実と、証言と、諸説。この三つをごちゃ混ぜにしないことが、UFOの話を本当に面白がるコツなのかもしれません。あっても無くても人生に影響のない無駄知識。でも、今夜あなたが見上げた空に、もしオレンジ色の光がよぎったら……それはきっと、気球です。たぶん。そんな、アメリカUFOファイル全解禁のお話でした。
出典・参考情報
- [A] U.S. Department of War 公式「PURSUE(Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters)/war.gov ufo」発表
- [A] AARO(全領域異常解明局)局長 Dr. Jon Kosloski 報告書(2026年6月5日付・マザーオーブ記述)
- [B] NBC News「Pentagon releases declassified UFO files」(2026)
- [B] ABC News/Fox News「declassified UFO files・Apollo transcripts」(2026年5月)
- [B] The Debrief/EarthSky「third batch of UAP files(orbs)」(2026年6月)
- [B] Wikipedia「United States UFO files(PURSUE)」(年表・件数の整理)
- [B] David Whitehouse(astrophysicist)/Michael Narlock(astronomer)懐疑コメント
- [C] Avi Loeb(Medium)「UAP Disclosure Forum」所感=個人発信・参考
信頼度 A=一次/公的、B=定評メディア・専門研究、C=個人発信・未検証。事実・証言・諸説を区別して記載しています。UAPの正体や地球外起源は証明されていません。






